僕の仕事の休み時間に、妻が 「聞いて。聞いて~。」 と電話をかけてきた。
何の話かと思ったら、妻の仕事の愚痴だった。
どこにでもあるような夫婦のやりとりだと思うが、何か腑に落ちない気持ちにさせられたので、考えを整理する意味でも書いておこうと思う。
妻の愚痴の内容。
妻はとある役所でパートをしている。
そこでは民間の有資格者が役所に来た人の案内をしたり、相談にのったりするために働いているそうだ。期間限定で働いてるようだが、いわゆる士業と呼ばれる資格で、簡単なものじゃないのは間違いない。
愚痴の対象はその有資格者の人だった。結構年配というそのおっさんは、とにかく人によって対応を変える人で、役所の職員にはとても愛想がよく、パートの人には基本ものすごく感じが悪いらしい。パートである妻にもすごく感じが悪いらしくいつも気分が良くないそうだ。
今日も相変わらずの愛想の悪さで、書類を渡す時に返事をすることもなく、仕事上伝えないといけないことを伝えるときも聞いているか分からないぐらいの反応だけ。職員やお気に入りのパートさんが話しかけるとウソみたいに饒舌に話す姿に嫌悪感を覚えるそうだ。
妻がそんなおっさんの愚痴をあらゆる角度から僕に放り込んできた。愚痴の球数が多すぎて僕一人ではさばけないレベルだったが、何とか全てをキャッチすることができた。
今日の妻は本当にイヤな気分になったのだろう。興奮冷めやらぬ状態はおさまらず、僕におっさんの愚痴を言い続けている。
僕の愚痴の受け止め方と返し方。
僕も仕事の愚痴を言いたくなるときは結構ある。そして聞いてもらう相手はもっぱら妻だ。愚痴というものは聞いてもらうだけでもある程度スッキリするから、話す相手がいるだけでありがたい。だから僕も興奮状態の妻の愚痴をじっくり聞いてあげた。
そして僕は聞き役だけでは芸が無いと思い、そのおっさんを一緒にディスることで、妻のストレス発散をさらに助けようと考えた。
僕「本当、職員だけに媚を売る最悪なおっさんだね!」
妻「そうなのよ!ちゃんと返事もしないし、こっちを無視した感じで最悪なんだよ!」
(よし。同調してからの返しで盛り上がってきたぞ。)
僕「そんなんだったら他のパートさんにも嫌われてるんじゃないの?」
妻「そうよ!○○さんたちもパートを下に見てるところが嫌だって言ってるよ!」
(やはり愚痴は同調に限るな。少しでも擁護してそうなことを言ったら怒りの矛先はこちらに向いてしまうからな。)
僕「士業として成功してないから期間限定で働くはめになってるんだろうし、仕事ができないおっさんなんだよ。」
妻「いや?成功してないかは分からないよ。」
(あれ?「そうそう!仕事ができないおっさんなんだよ!」と返ってくると思ったんだけど?)
僕「でも、開業した事務所が儲かってるなら、わざわざ役所で働く意味ないでしょ?」
妻「儲かってないかどうかは分からないよ。」
僕「え?だって自分の仕事が忙しくて経営としても儲かってるなら、別のところで働かなくていいんじゃない?」
妻「何で儲かってるか儲かってないかにこだわってんの!」
こだわってないわ~!
違うのよ。儲かってるかどうかの話になっちゃってるけどそうじゃなくて、仕事ができないおっさんだとディスることで愚痴を盛り上げたいだけなのよ。
そもそもおっさんと呼んでるその人のことを全く知らないんだから、仕事ができる人かどうかも知らないし、おっさんと呼んでることも失礼だと思ってるよ。
真面目にいわせてもらえば、その人は儲かってる事務所を経営していて、役所とのつながりを持つための手段として期間限定で働きにきているのかも知れない。もしくは空いている時間を相談者の悩みに答えることで社会貢献をしたいと考えているのかもしれない。
その人が何の目的で、どんな背景があって働いているのかなんて僕に分かるわけがないじゃない。今現在はあなたの愚痴の要因を作っている人だから、その人の味方ができないだけなんだけど。
なんか腑に落ちないな~。あなたの共感するディスり方じゃなかったにしても、僕は愚痴を盛り上げたいだけって分からないかな?僕が知らない人を悪く言いたいはずがないじゃん。
上で書いた妻とのやりとりは半分以上省略してるんだけど、最後の方は期間限定で働いてる有資格者は他にもいるそうで、その中には優秀な人もいるということを熱弁された。いや、あなたの職場で働いてる有資格者全員をディスってるわけじゃないのよ?むしろ悪く言いたくないんだよ?
そんなこんなで僕の昼休みの時間は終わりました。とりあえず気持ちを切り替えて仕事に戻り、終わって帰宅すると、昼休みと同じようにそのおっさんの愚痴を言う妻が待っていたのでした。まだ言い足りなかったのね。
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